小林 逸水 ｜ 催し物・書展情報

書展によせて

きょう一日を生きて明日を迎える。
今の私にはそんな穏やかなしあわせがあります。

若い日々は、貧困の中、その日の糧を得るため、ただ「生きる」ことのみに専心。
そうして紡いできた命。
食べることに困らない、穏やかなふつうのくらしをもとめて、ひたすらに時を駆け抜けてきました。
還暦の少し前、長い長い封印の時を経て、十代の頃よりあたため続けていた「書を学びたい」という思いを筆に託す日が訪れました。
それは足かせをとかれ、自由を得た鳥が天空を飛び立ったかのような瞬間でした。
生きていれば、あきらめなければ、自分に負けない心があれば、思いはいつか叶うもの。

文字を書くという行為は、筆触を楽しんだり、言葉をかみしめたりすることで、こころ豊かに生きることができます。なかなか上達しない苦しみもありますが、何より「書」を続けることができるしあわせを感じています。

私が、どんな困難にも負けずに生きてこられたのは、父母からうけた人生哲学があったからだと思います。
そこにある言葉が、萎えた心を奮い立たせ、乱れた心を整え、時に背中を押してくれた。
作品に選んだ「ことば」は、どれも私の命とともに、脈打っている言葉たちです。言葉の根幹にある「魂」を意識しつつ、作品にしてみました。

悲しかったり、苦しかったりするのは、生きている証拠。
「病」「老い」「悩み」などを抱えて生きているみんなが、ささやかなしあわせに出会えることを願っています。

未熟ではございますが、ご高覧いただければ幸いです。

平成２３年１０月吉日　小林イチ（逸水）記

開催場所について

開催場所 ：  渋谷 Gallery6   （東京都渋谷区松濤1-28-4）

展示会限定グッズの紹介

小皿 （有田焼）

≪翼をいだいて≫ ささやかでいい。ゆめを持とう。 その思いをかなえるために心に翼をいだこう

ハンドタオル

≪つながる・ぬくもり≫ 人とのぬくもりを大切にしよう。

これらの品物は、今回の書展のために、逸水の思いを形にしたものです。
両方とも、「鳥」の古字。逸水書。
※非売品。

※ 書展の受付で「KAZNY」を見たと言っていただいたら、小皿をプレゼント します。（毎日先着５名様限定）